主要概念クロスリファレンス:各書物での説明比較
主要概念クロスリファレンス:各書物での説明比較
サマーディ・解脱・心・カルマなどの主要概念が各書物でどのように説明されるかを比較する横断的参照ガイド。
サマーディ(三昧)の比較
| 書物 | 用語 | 定義・特徴 |
|---|---|---|
| ヨーガ・スートラ | サマーディ | チッタ・ヴリッティ・ニローダ(心の波立ちの止滅)。有種子→無種子の段階 |
| バガヴァッド・ギーター | ブラフマ・ニルヴァーナ | 全ての欲望から解放された状態。グナを超えた平静 |
| ハタ・ヨーガ・プラディーピカー | ウンマニー・マノンマニー・ラヤ | 心が対象への向かいを超え宇宙意識に溶ける状態 |
| ゲーランダ・サンヒター | 6種類のサマーディ | ディヤーナ・ナーダ・ラサーナンダ・ラヤ・バクティ・ラージャの6種 |
| ヴィジュニャーナ・バイラヴァ | バイラヴァの意識 | 日常の任意の瞬間から入れる純粋意識。112の技法で達成 |
| The Yoga Tradition | カイヴァリヤ / モクシャ | 各伝統によって異なるが「真の本性への回帰」として統一的に理解 |
心(チッタ)の比較
| 書物 | 用語 | 構造・定義 |
|---|---|---|
| ヨーガ・スートラ | チッタ | マナス+ブッディ+アハンカーラの総体。波立ちを制御すべき対象 |
| バガヴァッド・ギーター | マナス | 感覚器官と知性の間の処理器。制御すべき「馬」 |
| サーンキヤ | アンタカラナ | マナス+ブッディ+アハンカーラ+チッタの「内的器官」 |
| アドヴァイタ | チッタ | ブラフマンの反射。純化されるとブラフマンを映す鏡になる |
| ハタ・ヨーガ | マナス | プラーナと連動する。「プラーナが止まれば心も止まる」 |
| 仏教 | チッタ | 無常・無我・苦の三特徴を持つ現象の流れ |
カルマの比較
| 書物 | カルマの定義 | 解決方法 |
|---|---|---|
| ヨーガ・スートラ | クレーシャ(煩悩)の根に宿る | サマーディによる全サンスカーラの焼却 |
| バガヴァッド・ギーター | 三グナから生じる行為の束縛 | ニシュカーマ・カルマ+バクティ+ジュニャーナ |
| ヴェーダーンタ | アヴィドヤーから生じる行為 | ジュニャーナ(真知)によるアヴィドヤーの消滅 |
| ジャイナ教 | 魂に物質的に付着するもの | 厳格なアヒンサー・苦行による浄化 |
| 仏教 | 無明と渇愛から生じる意図的行為 | 八正道・無我の直接体験 |
解脱・目標状態の比較
| 書物・伝統 | 用語 | 状態の特徴 |
|---|---|---|
| ヨーガ・スートラ | カイヴァリヤ(独存) | プルシャがプラクリティから完全に分離。グナを超えた純粋意識 |
| アドヴァイタ・ヴェーダーンタ | モクシャ / ムクティ | アートマン=ブラフマンの直接体験。二元性の消滅 |
| バガヴァッド・ギーター | ブラフマ・ニルヴァーナ / モクシャ | グナを超えた平静。神への完全な帰依による解放 |
| ハタ・ヨーガ | ムクティ / ニルビージャ・サマーディ | クンダリニーのサハスラーラへの到達。シヴァとシャクティの合一 |
| 仏教(上座部) | ニルヴァーナ | 渇愛・無明の完全な消滅。再生の停止 |
| タントラ / カシュミール・シャイヴィズム | シヴァの意識の認識 | 世界を否定せず、全ての体験をシヴァの意識の顕現として体験 |
アヴィドヤー(無知)の比較
| 書物 | 定義 | 具体的内容 |
|---|---|---|
| ヨーガ・スートラ | 全煩悩の根本原因(YS 2.4-5) | 無常を常住、不純を清浄、苦を楽、非我を真我と誤認 |
| アドヴァイタ | マーヤーの力として機能 | ブラフマンを覆い隠し(アーヴァラナ)、世界を投影する(ヴィクシェーパ) |
| バガヴァッド・ギーター | タマスの性質 | グナへの同一化・真我の忘却 |
| 仏教 | 無明(アヴィジュニャー) | 三特徴(無常・苦・無我)への無知 |
| サーンキヤ | プルシャとプラクリティの混同 | 観る者と観られるものを同一視する誤り |
ヨガの目的(最終目標)の比較
| 書物 | 最終目標 | キーワード |
|---|---|---|
| ヨーガ・スートラ | チッタ・ヴリッティ・ニローダ→カイヴァリヤ | 心の止滅・独存 |
| バガヴァッド・ギーター | 神との合一・モクシャ | 無執着・帰依・義務の完全な履行 |
| ハタ・ヨーガ・プラディーピカー | ラージャ・ヨーガ(サマーディ)の達成 | 身体・プラーナを通じた解脱 |
| ヴィジュニャーナ・バイラヴァ | バイラヴァ(シヴァ)の意識の認識 | 日常の体験からの即座の認識 |
| The Yoga Tradition | 各伝統に応じた解脱 | ヨガは「自己超越」への道という共通の方向性 |
| Light on Yoga(アイアンガー) | 身体・心・魂の統合 | アライメント・プレゼンス・健康 |
プラーナーヤーマの比較
| 書物 | 最重要技法 | 特徴的な強調点 |
|---|---|---|
| ヨーガ・スートラ | 呼吸の制御(一般的) | クンバカ(保息)による心の止滅 |
| ハタ・ヨーガ・プラディーピカー | バストリカー・ナーディー・ショーダナ | 8種の詳細な技法。ナーディー浄化 |
| ゲーランダ・サンヒター | サヒタ・クンバカ | 1:4:2の比率。詳細な手順 |
| Light on Yoga | ウッジャーイー・ヴィローマ | アライメントと呼吸の統合。14種 |
| アーユルヴェーダ | 体質別プラーナーヤーマ | ドーシャに応じた選択 |